【ロボアドIPO】ウェルスナビの株価は右肩上がりを予想

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本記事はIPO時のウェルスナビ考察記事です。
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この記事の結論
  • ウェルスナビの事業は成長性があり、SaaS銘柄に似たバリュエーションができる
  • 事業は投資フェーズであり、赤字なので売上高成長率が50%をキープできるかに注目する
  • 売上高成長率の予測のために継続的に預かり資産のモニタリングが重要
  • 想定株価は3800円程度で記事作成時点では30%程度のアップサイドがありそう

どーも!タカナビです。

本記事は2020年12月に上場したウェルスナビ(7342)の紹介をしたいと思います。

ロボアド(AIによる資産運用サービス)のIPOは日本初となるため、注目度も高いウェルスナビ社。会社の概要や業績だけでなく、その上でどの程度の株価まで期待できるかについて言及できればと思います。

何より1投資家として、資産形成をまだしていない方に対し、普及活動をしている点と創業者の思いにに共感できるため、ぜひとも成長してほしいなあという企業の1つです!

この記事はこんな方にオススメです。
  • ウェルスナビに投資するか検討されている方
  • 銘柄分析を参考にされたい方

※投資判断は自己責任でお願いします。

ウェルスナビ社の事業内容

事業内容

ウェルスナビ社はロボアドと呼ばれる顧客がウェルスナビ社に現金を預けるだけでAIが自動で資産運用を行うサービスの運営を行っています。

ウェルスナビ(WealthNavi)|全自動の資産運用サービス
選ばれてロボアドバイザーNo.1(預かり資産・運用者数)。豊かな将来に向けた資産運用を、誰でもスマホやパソコンで自動で行えます。
出典:ウェルスナビ社ウェブサイトより


債権・株式・コモディティ・不動産あたりの原資産を売買して、顧客は預けておけばほったらかしで資産形成されるというものですね!パフォーマンスはリスク許容度によって分かれるのですが、下記の通りで日経とかの指数には勝ってるのかな・・・?

出典:ウェルスナビ社ウェブサイトより

事業リスクとしては収益の33.5%がSBIグループ経由である点と、基礎技術が公開されていることから他社の参入がしやすいという点ですかね?

創業ストーリー

さて、サービス内容はこのくらいで。

創業者は柴山和久氏で東大→財務省→マッキンゼー→ウェルスナビ創業ということでかなり華々しい経歴ですね。

きっかけは日米の“金融格差”だった | WealthNavi's History
ウォール街で働いていた柴山はあるとき、アメリカ人の義父母の金融資産に衝撃を受ける。日本にいる自分の両親の資産と、実に10倍の開きがあったからだ。

上記のサイトに創業ストーリーが書かれています。

創業のきっかけは元々ファイナンス畑だったことと、マッキンゼー時代にノーベル賞理論を使ったアルゴリズムによる資産運用系に従事していたことを背景に、日本でも資産形成のカルチャーを植えたいという感じですかね。

確かにアメリカと日本では資産運用に関する知識に差があり、こうした取り組みはとても共感できるなと思いました。

2015年に創業し、プロダクトであるウェルスナビを2016年に世に送り出し、従業員の半数以上がエンジニアということでかなりプロダクトに思いを込めてサービスを提供しているようです。

実際に利用はしていないのですが、UIは見やすそうな印象でこだわっていると思います。
こうした資産運用もアプリで実施する人が多くなってきているので大きな差別化となるでしょう。

事業モデル

ターゲット顧客や市場規模、競合のお話から事業モデル(マネタイズ方法)について説明します。

冒頭でも紹介した通り、ウェルスナビ社はロボアドによる資産運用サービスを提供しており、20代から50代までのtoCがターゲット顧客です。

市場規模ですが、ウェルスナビ社が出す説明資料によると最大23兆円としているようです。

出典:ウェルスナビ社成長可能性に関する資料より

ここは預金から投資資金になったもののうち、20〜30%もロボアドに入れるかという話がさすがに・・・とも思いますが笑

マネタイズ方法は以下の図の通りです。

出典:ウェルスナビ社新規上場申請のための有価要件報告書より

かなりシンプルな構造で、

  1. ウェルスナビ社が直接獲得したお客様からいただくサービス利用手数料
  2. 提携パートナーが獲得したお客様からいただくサービス利用手数料

の2つに分かれます。提携パートナーには手数料のうち、一部をレベニューシェアという形で売上折半することとなるため、レベニューシェア率がどの程度なのかという点が明らかになると売上予測が立てやすいと思います。

お客様はウェルスナビ社に預ける資産に対し、年率1%の手数料を払うことになります。
このことから年率1%も取られるのはとても高額だという意見もあるかと思いますが、残念ながらそれが高額ということに気づかない方や、高額と知っていてもやはり運用を最適にまるっとやってくれる点に魅力を感じる方にとっては非常に魅力的なサービスとなりますね。

今後事業を拡大していくにはこの提携に継続注力していくのでは無いかと思います。
そうすると預かり資産はどんどん上がるが、その割に売上が得られない構図となるはずで、今後のモニタリングとしては売上対預かり資産(テイクレート)にも注目したいです。

KPI

続きましてKPIのご紹介。KPIとはKey Performance Indicatorsの略で目標達成に直接的に関連する別の目標指標のことでKPIを達成すれば自ずと目標達成するため重要な指標です。
(書いてて説明が下手すぎて絶望しました。気になる方はぐぐってください。)

いくつかKPIがあるようですが、SaaS企業が追うような指標ばかりですねw

  • 預かり資産:預かり資産が増えれば手数料による収益が得られる
  • 運用者数:運用者数が増えれば預かり資産が増える
  • 平均月次解約率:運用者が継続的に使ってくれれば預かり資産が減らない
  • 預かり資産の成長率:預かり資産の伸びが即ち収益の伸びとなる
  • ARR:毎年決まって得られる収益のことで高いほど安定的に収益が得られている
  • Net AuM retention:SaaSで言うところのNRRですね。預かり資産がその後年間何%ペースで増加するか
出典:ウェルスナビ社成長可能性に関する資料より

解約率の1%未満ですが、完全なtoC向けのSaaSサービスと比較できる情報が手元に無いですが、以下の情報を見るとSMBでも3%とかあるのでかなり低いと言ってもよいかもしれませんね。

一般の方はサービスがいまいいちであれば解約して貯金として残すか、別の投資商品に投資するだけなので解約はされやすいサービスかと思いますが、その中で1%というのは投資パフォーマンスが安定しているところから来るんですかね。

note ご指定のページが見つかりません
出典:https://note.com/onecapital/n/nd7a43c0044bc

逆にARRはちょっと低そうですね。以下がSaaS企業のARRと時価総額です。

出典:https://keyplayers.jp/archives/18367/

ARRが低いからといって時価総額が決まるわけではなくあまり相関も無さそうなので無視ですかね。

財務状況

事業内容の次は財務状況です。
有価証券報告書から取ってきたデータと2020年の売上予想です。

項目20162017201820192020
営業収益3,007207,048881,1711,552,9032,423,000
売上成長率6785.53%325.59%76.23%56.03%
広告宣伝費50,579184,7971,051,2171,581,115
売上対広告宣伝費率1682%89%119%102%
レベニューシェア69,598238,915353,824
取引連動費41,287113,620297,659378,719
人件費126,551367,518606,109834,874
不動産関係費等137,505234,860408,751466,091
営業損益-352,917-763,348-1,721,482-2,061,722
出典:ウェルスナビ社有価証券報告書より作成

2020年12月期の売上高(営業収益)成長率は56%です。

出典:ウェルスナビ社有価証券報告書より作成

売上高をグラフ化しただけですが、ぐんぐん成長してますね!

事業モデルやKPIあたりで触れたとおり、売上成長率は預かり資産金額が大きなドライバーとなります。そこで預かり資産金額の推移がどのようになっているかを調査しました。

出典:ウェルスナビ社ウェブサイトのニュースリリースより作成

ウェルスナビ社は100億円単位で預かり資産が増えるとニュースリリースを出すようなので100億円増えるのに要した日数の表を作ってみました。

データ的に2300億円と2400億円のときの状況は無視したい・・・ということでそこを除くと平均して23日程度で100億円増えるようでした。


このペースを2021年も維持した場合、自分の見立てでは4900億円まで成長できると思われます。
さらにテイクレートも2020年と同様だった場合、2021年売上見込は37億円と予想できます。

ほぼ、売上しか言及していませんが、赤字な点は特に問題視していません。こうしたユーザーを獲得して預かり資産を確保するには集客コストがかかるため広告費に投資していくことはIPO直後の企業では常套手段です。

事実、広告宣伝費が売上に占める割合はほぼ同額なのでそれだけ今は集客するフェーズということです。

今後広告宣伝費をおさえていき利益を出しつつもさらなるサービス提供に向けてプロダクトの改良ができれば健全なモデルになっていくと思います。

そのため、この後でてくる株価の評価もPERを使わず、PSRと呼ぶ、時価総額と売上を使った指標で考察を行います。

株式関連情報

IPO時にこういう情報は載せるべきですが・・・すでにIPOして1ヶ月経とうとしているところなので2021年1月15日の状況でいうと株関連の情報は以下の通りです。

  • 時価総額:1290億円
  • PSR:53倍 ※2020年売上予想にて算出
  • 予想PSR:34.8倍

他のSaaS銘柄のPSRは以下の通りです。

銘柄時価総額売上高成長率PSR
フリー(4478)4485億円40%46.4倍
マネーフォワード(3994)2108億円35%13.8倍
Chatwork(4448)526億円34%21.7倍

フリーのPSRが正当化されているのはやはり売上高成長率が高いからでしょう。
ウェルスナビ社についても次回決算で売上高成長率が50%を維持するガイダンスが出せればPSR40倍台まで許容される可能性があるというところですね。

IPO時は流動性といった情報も重要ですが、一旦1ヶ月経っているので・・・(何度も言う)ロックアップですが、基本的に180日間か90日or1.5倍が条件のようです。

1.5倍のほうは発行株式総数の20%を超えることからそれなりの売り圧力となります。
で、初値が1.5倍の1725円だったのですでに売りがそれなりに入っていたのではないか・・・と思っています。

そのため、今はロックアップ解除による売り圧力はそこまで懸念する必要は無いかなと思っています。

ウェルスナビの今後の株価動向予想

長々と書きましたが、事業内容や財務状況・株価状況をふまえて、今後の株価動向を予想してみます。
株価を予想するポイントは以下と考えます。

ウェルスナビのポイント
  • 売上高成長率50%を維持できるか
  • 上記のモニタリング項目として100億円の預かり資産がどの程度のペースで増えているか?23日ペースを維持できているか
  • 6月にはロックアップ解除による新たな売り圧力があるかもしれない

さて、2月に2020年の期末決算と2021年のガイダンスを出すことになりますが、ここは預かり資産の推移をみていると売上高50%は出せるのではないかと思っています。

そして、上記決算が出せる前提で許容できるPSRはフリーと同等とすると、
予想売上37億円 × PSR46.4倍 = 時価総額1720億円
時価総額1720億円 ÷ 発行株式数44,967,649 = 3822円
が目標株価で次の決算までは比較的安全に持てるのではないでしょうか。

当然、市況的に暴落が起きたり決算が出せなかったりするのであくまで個人的な予想で買い推奨ではございません。

ということで、最後にまとめておきます。

この記事の結論
  • ウェルスナビの事業は成長性があり、SaaS銘柄に似たバリュエーションができる
  • 事業は投資フェーズであり、赤字なので売上高成長率が50%をキープできるかに注目する
  • 売上高成長率の予測のために継続的に預かり資産のモニタリングが重要
  • 想定株価は3800円程度で記事作成時点では30%程度のアップサイドがありそう

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