【銘柄選定】簡単な手順で上方修正銘柄を先回りして利益を得よう!

株式投資手法
この記事の結論
  • 上方修正を発表した銘柄の株価は必ずしも上昇するとは限らないです。
  • 上方修正をできるだけ先読みで察知し、キャピタルゲインを狙いましょう!
  • 多角的にその企業の成長性や市況も評価してください。

どーも!タカナビです!

みなさん銘柄選定はどのように行っていますか?
業績やチャートを見ながら買いなら上昇する銘柄、売りなら下降する銘柄を予測していますよね
ただでさえ銘柄を選ぶのは難しい上に調査時間もかかるので、忙しい方は特に苦労してしまいますよね。

そんな方にもオススメできるのが、「業績上方修正先回り投資手法」です!

この手法では30分程度で銘柄選定が終わりますので、忙しい方でも即実践が可能かなと思います。
今回、この「業績上方修正先回り投資手法」の説明と具体的な手順としてお伝えしたいと思います!!

この記事はこんな方にオススメです
  • テクニカル・ファンダメンタルを使って銘柄選定をしているが、実績がなかなか伴わない方
  • 積極的に個別株投資を行っていきたいが、銘柄選定を行う時間が無い方
  • 理屈はいいので株価上昇が狙える銘柄選定方法を手っ取り早く教えてほしいという方

具体的な銘柄の情報も合わせて載せてみましたのでぜひ読んでみてくださいね!

業績上方修正先回り投資手法とは

業績の上方修正はみなさんご存じでしょうか?

企業は年度の初めに業績目標をたてて株主に説明を行いますが、期中に計画よりも業績が伸びて業績の着地見込みが上振れると分かった時点で業績予想を修正します。

それを業績の上方修正と呼んでいます。(逆に目標に対し、下振れる場合は下方修正と呼びます。)

計画業績より伸びることから、通常は株価とのギャップが生じてそのギャップを埋めるために株価が上昇することが一般的のようです。

ですが、すでに織り込み済みで下落するケースもあるようです。具体的な銘柄で動きを確認してみましょう。

上方修正後、株価が上昇したケース

例えば、パスコ(9232)は2019年10月25日に業績の上方修正を発表し、その日の終値1,504円から2か月後の2019年12月25日には2,034円まで上昇しました。

実に35%の上昇ですね!

上方修正後、株価が下落したケース

例えば、東京製織(5423)は業績上方修正を出したにも関わらず、大きく下落してしまいました。

しかし、よく見てみるとその前の決算で株価が上昇しているのが分かります。

先ほどの東京製織(5423)ですが、2019年7月23日に業績発表をし、一時的に大きく下落していますが、その後上昇トレンドを形成しています。(少し例えが悪いですが。。)

業績修正の予兆が分かれば利益が狙える!

このように業績の上方修正を発表してから株価の上昇を狙うのは難しいのですが、その前の決算から業績予想がある程度予測できればキャピタルゲインが狙えるのです。

先ほどの例で言うと、2019年7月23日の時点で上方修正というイベントを予測し、先回りできていれば利益獲得ができます!

そんな考え方から「業績上方修正先回り投資手法」が生まれました。

この手法は以下の書籍を用いて少しアレンジし、具体的なやり方を手順化したものになります。

「日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法」
合わせてぜひチェックしてみるとよいと思います!

本当にそんな予測ができるものなのか?と疑問に思われると思います。次の章で予測するための根拠をお伝えします。

なぜ企業の上方修正を予想することができるのか?

この章は業績上振れを予測するためのロジックの解説になります。

理論はいらないので手っ取り早く手順だけ知りたいという方は、事前知識が無くても見れば誰でも実践できる手順を次の章で公開していますのでそちらをご覧ください。

ただ、なぜ公開されている手順が生まれたのかわかると、株式投資の知識が深まると思いますので読んでいただいても損はないはずです!

まず初めに予測までのおおまかな流れをご紹介します。

上方修正銘柄を予想する方法
  1. 半期で進捗率の良い銘柄をスクリーニングする
  2. 割安かを調べる
  3. EPSとPERから理論株価を計算する
  4. 現在の株価と理論株価を比較する
  5. 4でスクリーニングした銘柄に対し、投資対象としてよいか検討する

上記の大きく5つの銘柄絞り込みを経て、銘柄選定を行っていきます。

1.半期で進捗率の良い銘柄をスクリーニングする

“業績が上方修正される可能性のある企業”=”半期時点で当期純利益が例年より稼げている(進捗率がよい)企業”

という考え方ができると思います。進捗率とは以下の式で求めます。

進捗率の算出式

進捗率 = “半期純利益” ÷ “計画の当期純利益”
    = “半期EPS” ÷ “計画の当期EPS”

EPSはこの後用語の解説もあるので合わせて確認してください。

なぜ半期時点の業績を見るか?

一般的に1年間の業績は第3四半期で見えてくることが多いため、第3四半期のタイミングで上方修正を発表されることが多いです。

そこで、第3四半期の一つ前の決算である”半期時点”での業績進捗率が例年の進捗率と比べ大きく上回っているかを見るべきだというロジックになっています。

図の通り、第2四半期に例年の進捗率50%に対し今期は80%としている場合、例年より1.6倍のペースで利益を稼いでいることになります!

そうすると期末の業績は計画を上回る可能性が非常に高いことが、上方修正されていない第2四半期時点で推測することができるというわけです!

当期純利益が例年より稼げているとは?

それでは、”当期純利益が例年より稼げている”とはどの程度の乖離でみれば良いでしょうか?

目安として以下の式が成り立つ場合としています。

進捗率良好の判断基準

“実績進捗率” ー “例年の進捗率” > 20%

このような銘柄をまず見つけ出す(スクリーニングする)ことが第一歩となります。

“例年の進捗率”は株探で現在の進捗率と5年間平均進捗率を一覧化した記事がありますので、こちらの情報を抽出し、念のためその情報が正しいかをIR資料を見て確認します。

詳しくは手順の章で解説しますね!

2.1でスクリーニングした銘柄に対し、割安かを調べる

1でスクリーニングした銘柄は果たして、株価が上昇するのでしょうか?

その時点で例年程度の割安度であれば将来業績が修正されることも加味して、割安と言えるでしょう。

しかし、株価が上昇しきっており将来の業績を加味しても割安でない場合は、いくら進捗率が良くても株価の上昇は期待できないです。

そのため、PERという指標を使って割安かを調べます。

具体的には1年間の平均PERと現在のPERがどのような位置関係かをチェックします。

平均PERと現在のPERの評価ポイント
  • 1年間の平均PER ≧ 現在のPER
    • 現在の株価は割安といえるでしょう。
  • 1年間の平均PER < 現在のPER
    • 現在の株価は割高といえるでしょう。

ただし、多少割高でも業績が伸びる可能性が高いことを加味して割安度を判断したほうが良いので、この調査は参考情報として扱っても良いと思います。

3.EPSとPERから理論株価を計算する

2までの絞り込みでいよいよ投資してもよさそうな銘柄が見えてきました!

これらの銘柄がどの程度上昇する可能性があるかも検討しておく必要があるかと思います。

そこで、以下の式を用いて理論株価を出してみます!

株価の算出式

株価 = PER × EPS

PERとEPSの値
  • PER:
    • 時価総額 ÷ 純利益 です。
    • 今回の計算では”1年間の平均PER”を使い、例年のPERであればどの程度の株価になるか・・・を計算するのに使います。
  • EPS:
    • 当期純利益 ÷ 発行済み株式数 です。
    • 今回の計算では半期の進捗率で進んだ場合、1年間のEPSがどの程度になるか・・・と検討して予想EPSを算出します。
      • 5年平均の進捗率 > 50% の場合、例年半期のタイミングで1年間の半分以上の利益を稼いでいる企業なので、その歪みを補正するために、”半期のEPS÷5年平均の進捗率”で予想EPSを算出します。
      • 5年平均の進捗率 > 50% の場合、例年半期のタイミングで1年間の半分以下の利益を稼いでいる尻上がりな企業なので、”半期のEPS×2″で予想EPSを算出します。
        (“半期のEPS÷5年平均の進捗率”としないのは安全をみてですね!)

上記のPERとEPSを株価の式に代入することで理論株価を求めておいてください。

4.現在の株価と理論株価を比較し、上昇余地が大きい銘柄を選定する

3で計算した理論株価と現在の株価を比較します。

最低でも「理論株価 > 現在の株価」となっており、理論株価が現在の株価より大幅に乖離しているものをチェックしておきましょう。

100%以上乖離するものから10%程度のものもありますが、10%だからといってその時点で検討を切ってしまうのは良くなさそうです。

どちらかというとすでに株価が上がりきっている銘柄を除去することを目的とし、上昇する場合は参考程度にその割合をチェックしておきましょう。

5.銘柄に対し、投資対象としてよいか検討する

これが最後の検討事項です。

4までで機械的に銘柄を選定しましたが、本当に投資対象としてよいか最後は企業情報を知って調べる必要があります。

  • 今年だけの一時的な増収で利益があがっていないか
  • 今後も伸びそうな業態なのか
  • 業績は上がっているのか

上記の要素は最低限押さえておきたいですね!

その他にテクニカル的に今が仕込みどき?や、米中貿易戦争やコロナショックといったいくら割安でも株価が上がる可能性が低い時期を検討してみてください。

ここまでスクリーニングすればある程度自信を持って投資することができると思います!

大公開!銘柄選定手順

上方修正期待銘柄をどのようにスクリーニングしているか、理論は前章でお伝えしましたが、具体的にどこの情報やツールを使って実施しているか知りたいですよね!?笑

自分はこのように実践しています!という方法を大公開しようと思います。

みなさんの投資成績がこの手順で少しでも良くなることを願ってます・・・。

銘柄選定手順
  • STEP1
    株探で【中間期】経常利益の通期計画に対する進捗率ランキングを確認する。

    株探にアクセスします。

    トップページの右上にある「銘柄探検」をクリックします。

    銘柄検索の章にある「【中間期】時点 通期上振れ有望銘柄」をクリックします。

    この記事に記載されているリストが初めの一歩です!

    今回はこのリストの中のアイモバイル(6535)を例にとって説明していきます。

  • STEP2
    1.半期の進捗率の良い銘柄をスクリーニングする

    STEP2のリストから進捗率の良い銘柄をスクリーニングしてみましょう!

    まず進捗率を判断するために株探の情報以外に”半期・年間EPS”を情報として入手しましょう。

    自分はSBI証券ユーザーなのでSBI証券を例にとって解説します。

    SBI証券で銘柄検索をし、「適時開示」ボタンを押すと上記のような情報がでます。

    ここで最新の決算短信を開きます。

    1株当たり四半期純利益=半期のEPSなので、
    半期EPS=47.85
    であることが分かります!

    1株当たり当期純利益=年間のEPSなので、
    年間EPS=51.83
    であることが分かります!

    さて、これらの情報を使って”進捗率の良い銘柄をスクリーニング”してみましょう!

    ポイント1:株探の進捗率は本当に正しいか?

    株探の情報が最新化されていない可能性があります。

    そのため、株探の情報をうのみにするのではなく、本当に進捗率が正しいか判断しましょう!

    進捗率(%) = 半期EPS ÷ 年間EPS × 100

    で計算します。

    アイモバイル(6535)の場合、
    進捗率(%) = 47.85 ÷ 51.83 × 100 = 92.3%
    です。これは株探の92.1と若干ずれていますが・・・とても進捗率が良いといえますね。

    ポイント2:5年平均進捗率の乖離が20%であるか

    次に現在の進捗率が例年と比べてどの程度素晴らしいかを検討します!

    目安としては20%乖離があるかとしていますが、スクリーニングしてみてあまりにも多かったり少なかったりする場合、15%や25%に調整するのもいいと思います。

    アイモバイル(6535)の場合、
    92.3(現在の進捗率) ー 63.5(5年平均進捗率) = 28.8
    なので条件を満たしますね!

  • STEP3
    対象銘柄が割安かを調べる

    これは一般的にPERが15%以下だと割安といわれているため、そのラインでスクリーニングする手がありますが、PERは銘柄によって大きく指標が違うと思います。

    そのため、その銘柄の過去1年間のPERがどのように推移していったかで判断するようにしています。

    SBI証券の銘柄情報で「業績」→「株価指標」をクリックすると上記の画面がでてきます。

    そこで予想PER推移を1年にしてみてみると、この銘柄はPER21倍程度が平均であることが分かり、現在のPERは低めの水準であることが分かります。

  • STEP4
    予想EPSとPERを計算する

    さて、これまでのスクリーニングでもアイモバイル(6535)は魅力的な銘柄のように感じます。

    次に理論株価を算出してどの程度の株価が期待できるか算出します。

    株価 = PER × EPS

    であり、PER = 21倍(1年間の平均)、
    EPS=47.85(半期EPS) × 100 ÷ 63.5(1/進捗率) = 75.4
    となるため、理論株価は1,582円です。

    この株価は現在の632円に比べとても高い水準ですよね!

  • STEP5
    多角的に銘柄分析をして投資判断をする

    最後に本当に投資してよいかの評価をします。

    このときはコロナショックであったこともあり慎重に。。

    • コロナにより業績に大きなインパクトがありそうか
    • 時価総額が高すぎないか
    • 売上は伸びているか
    • 今後も伸びそうな事業か
    • すでに上方修正出していないか

    この中で売上の伸びとすでに上方修正を出している点に関しては不安要素もあるのですが、この業績予想を出した10月の株価水準であり、上方修正後の上昇はまだまだ見込めるかなということで実際に購入してみました!

    ※広告という分野がどうなるか・・・もありますが。

いかがだったでしょうか?

今回は1銘柄で解説しましたが、実際にはExcel等を活用して一気に複数銘柄をスクリーニングするのが良いと思います!

例えばですが、こんな感じで一気に試算してます・・・

こういった簡易なツールを作れば30分で選定できるので忙しい方には特におすすめですよ!!

終わりに

今回ご紹介した手法は比較的リスクを抑えた銘柄選定方法ですので、投資がうまくいってない方は一つの手段として実践してみてはいかがでしょうか。

まとめ
  • 上方修正を発表した銘柄の株価は必ずしも上昇するとは限らないです。
  • 上方修正をできるだけ先読みで察知し、キャピタルゲインを狙いましょう!
  • 多角的にその企業の成長性や市況も評価してください。

このような点に注意していただきながらぜひ「業績上方修正先回り投資手法」を試してみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました