【セカンダリー狙い目?!】セーフィー(4375)のIPOは申し込みたい!

IPO

2021年9月に上場予定のセーフィー(4375)に関して、プライマリー(初値売り)とセカンダリー(初値買い)投資すべきかを検証する記事になります。

ただし、プライマリーについては様々なサイトで予測されておりますので、他サイトの予想をそのまま抜粋するにとどめ、メインはセカンダリーに妙味があるかに言及します。

この記事の結論
  • Safieはクラウド型録画プラットフォームの「Safie」を運営する企業
  • プライマリー目線では想定価格の+20%程度と予想されている
  • セカンダリー目線では理論株価3,248円はコンサバな数字としてみており、想定価格の+42%となる

どーも!タカナビです。

セーフィーのIPOについて、目論見書から募集内容をふまえて考察したいと思います。

出展:SBI証券

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この記事はこんな方にオススメです。
  • セーフィーへのプライマリー投資を検討されている方
  • セーフィーへのセカンダリー投資を検討されている方
  • 銘柄分析を参考にされたい方

※投資判断は自己責任でお願いします。

事業内容

事業内容

Safieはクラウド型録画プラットフォームの「Safie」を運営する企業です。

出展:目論見書

飲食店における防犯目的であったり、シェアオフィスの監視カメラといった使い方がわかりやすいですが、建設現場や工事現場の遠隔支援としてもカメラを導入しておりそうしたインフラ設備を持つ企業との親和性が強い印象です。

高画質の映像をPCやスマホで流すだけでなく、映像のマスキングやイベント検知といった機能も備わっているようです。

また、NTTや関西電力といった企業がSafieのOEMを提供しており、販路が非常に拡大しているようです。

出展:Safie

一方で、このビジネススキームによりNTTへの売上が30%程度となっており、NTTへの依存度が高い構造になっている点は気になります。

AI insideは同じスキームで急激な成長を遂げていましたが、この提携が解消となり大暴落したことが記憶に新しいです。

創業ストーリー

  • 2014年10月 佐渡島隆平氏他3名で創業
  • 2015年5月 Safieのサービス開始
  • 2017年11月 キヤノンマーケティングジャパンへのSafiePROのOEMである「まとめてネットワークカメラ with safie」のサービス開始
  • 以降、NTT東日本の「ギガらくカメラ クラウドプラン」やUSENの「NEXTクラウドビュー」など様々なOEMを展開し上場に至る。

収益モデル

収益モデルは以下のようです。

  • スポット収益:カメラ等の機器販売や機材の構築費
  • リカーリング収益:Safie利用料(月額課金)
    • 利用料はカメラ導入台数とプランとオプションにより決まります。
    • そのため継続的にカメラ導入してもらえるかが重要なKPI指標になると思われます。

スポットとリカーリングの比率は約50%ずつのようですが、リカーリングの比率が年々上がっているようです。

またビジネスモデルとしては直販と販売パートナー(OEM含む)による提供になります。

出展:目論見書

OEMの場合、サービス利用料はディスカウントされるのかなと思い、ギガらくカメラ(NTTのOEM)とSafieの料金を比較するとギガらくカメラのサービスのほうが20%以上は高い価格設定になっているのでNTTがSafieに支払う利用料はSafieの定価に近いのかもしれません。(サービスに差をつけて価格を上げている可能性もありますが。)

Safieの料金

出展:Safie

ギガらくカメラの料金

出展:NTT東日本

KPI

主要な経営指標は以下となります。

  • ARR:リカーリング収益の成長性を図る指標。2021年6月末時点で45.5億円とのことでIPOしたての企業では規模が大きいと感じます。
  • 課金カメラ台数:課金カメラ台数が延びるとスポット・リカーリング収益の双方に寄与します。昨年は10万台で2021年6月末時点で13万台とのことで同じペースで増えるなら26万台と見込まれ昨年比2倍の成長が予想されます。
  • NRR:既存顧客の売上成長を図る指標。2021年6月末時点で138%(直販)とのことでこの数値は非常に優秀です。
  • 解約率:サービスの継続率を図る指標。toBのサービスの場合1%がよくめどにされますが、Safie全体で2.1%ということでやや高い水準のように感じます。
出展:目論見書

市場環境

市場規模

  • 市場を監視/モニタリングのカメラ稼働台数で捉えているようで、国内だと660万台、グローバル含めると4億台となり、成長余地はまだ広いと捉えているようです。
  • IPOの資金を海外展開の準備金としても充てるようでここの伸びがどうなるか要モニタリングということになりそうですね。

競合

競合をこちらのサイトで調べてみましたが、SafieのOEMが載っていたりして明確に強い競合はわかりませんでした。。
クラウドカメラ市場の約50%のシェアを取っており業界No.1のようです。

フリー・ウェルスナビ・エムスリーで感じますが、その業界のシェアNo.1の企業は特別な評価(バリュエーション)が得られるように感じます。

成長ストーリー・リスク

今後の成長ストーリーですが以下が考えられます。

  • 国内の拡大:販売パートナーがNTTや関西電力といった企業となるため販路が強みだと感じます。そのため、国内での事業拡大はまだまだ余力を残す状況かと思います。顧客の産業の幅を広げるという戦略イメージが目論見書には記載されており狙いは納得感があります。
  • グローバル進出:正直目先は国内の拡大に注力してほしいですが、海外進出も成長ストーリーの1つにはなり得るかと思います。ある意味シンプルなソリューションなのでローカライズの難易度もそこまで無いようにも感じます。(海外における競合環境はわかりませんが。。)
  • 提携解消リスク:リスクとして気になるのはやはり提携解消リスクです。NTT東日本との提携が解消されるとマイナスインパクトは大きいと感じるので注視したいと思います。
出展:目論見書

業績

事業内容の次は財務状況です。(12月期決算)

項目(単位:千円)201920202021 ※
売上高1,957,5415,047,6427,617,652
売上成長率257.86%150.92%
売上原価1,347,2953,270,0124,673,736
売上原価率68.83%64.78%61.35%
売上総利益610,2461,777,6302,943,916
売上総利益率31.17%35.22%38.65%
販売費及び一般管理費1,096,4581,897,2032,753,092
販売費及び一般管理費率56.01%37.59%36.14%
営業損益-486,212-119,573190,824
営業損益率-24.84%-2.37%2.51%
出典:目論見書

※2021年は半期実績を2倍した数字で算出

  • 2020年通期は売上高50億で営業利益-1億円です。
  • SaaS企業の中で比較すると特徴的なのが原価率が高い点ですね。
  • カメラ等の機器を仕入れて販売する商流によるものですが、この原価を下げることはなかなかできないかつ、人件費の比率も下げにくいでしょうから現状は利益が出しにくそうな構造ですね。
  • とにかく課金カメラ台数を増やしていき、サービスが定着してリカーリング比率がより高まると、自ずと原価は下がるとも言えますね。(実際減ってきている)

需給

IPOで株式がどの程度発行されるのか(新規発行株式)
IPOでは元々発行している株式がどの程度売り出されるか?(売出株式)

といった情報をおさえることが非常に重要です。
なぜなら、たくさんの株式が公募・売出されると、IPOで株式を割当てられた人達による売り圧力が存在することになるためです。

市場に出回る株式が多ければ多いほど上場後の初値は下がることになります。
逆に言うとセカンダリーを狙う人にとってはこういった銘柄を狙うことになります。

募集要項

募集要項は以下の通りです。

項目データ
想定価格2,280円
公募価格2,430円
公募株数3,297,700
売出株数5,711,000
公開株数(合計)9,008,700
オーバーアロットメント1,351,300
上場時発行済み株数49,147,700
想定価格ベースの時価総額1,121億円
オファリング・レシオ(OA除く)18.33%
出展:目論見書
  • オファリングレシオは18%ということでタイトですが、そもそもの規模の大きいIPOですので大幅な上昇の要因にはならなそうです。
  • プライマリー目線はニュートラル(そこそこの上昇)、セカンダリー目線はニュートラルです。

株主構成

募集要項は上場直後の売り圧力を表しますが、株主構成では上場後一定期間たったあとの売り圧力を計るために重要な情報となります。

ストックオプション分の株式を除くと株主構成は以下になります。
(スプレッドシートの画像にさせていただきます。)

出展:目論見書
  • ロックアップは1.5倍条件がついた株式が全体の30%もあります。
  • ただし、提携企業が売ることはあまり考えられないとも思っています。
  • そのため、プライマリー目線・セカンダリー目線ともにニュートラルです

株価の目安(バリュエーション)

比較企業としてはハードウェアの物販が伴うスマレジが良いかと思いました。

  • スマレジは売上高が40億円で売上高成長率が+20%でSafieよりは見劣りする業績ですが、黒字であることとアフターコロナということで、現在評価の高い状況かなと思います。
  • スマレジのPSR21倍を採用し、Safieの2021年通期売上を半期の2倍である76億円とすると、理論株価は3,248円となりそうです。

さらに言うと・・・

  • 課金カメラ台数が半期で12.9万台ですが、通期で26万台と過程し、1台あたりの売上が5万円のようなので通期売上を124億円と見ることもできそうです。
  • この売上を採用すると理論株価は5,312円となります。

終わりに

Safieのプライマリーとセカンダリーの戦略をどうするべきか?をまとめていきます。

  • プライマリー:
    • 需給観点ではニュートラル
    • ロックアップはしっかりかかっているわけではないが、必ずしも売り圧力となるとは思っておらずニュートラル
    • 参考:やさしいIPOというサイトでは想定価格に対して、約+20%の値が付くと予想されているようです。
  • セカンダリー:
    • 初値は小幅な上昇となりそうなためポジティブ
    • 需給観点ではニュートラル
    • 業績が非常に良く今後も伸びのイメージがわきやすいので初値1.5倍を超えなければ買いやすいと思ってます。

ということで、最後にまとめておきます。

この記事の結論
  • Safieはクラウド型録画プラットフォームの「Safie」を運営する企業
  • プライマリー目線では想定価格の+20%程度と予想されている
  • セカンダリー目線では理論株価3,248円はコンサバな数字としてみており、想定価格の+42%となる

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初値

初値は3,350円で公募価格比+920円(+37.9%)でした。
引けは3,350円でした。

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