【IPO】CINC分析、売上成長が+20%で好調なもののPER830倍の割高な募集内容

IPO

2021年10月に上場予定のCINC(4378)に関して、プライマリー(初値売り)とセカンダリー(初値買い)投資すべきかを検証する記事になります。

ただし、プライマリーについては様々なサイトで予測されておりますので、他サイトの予想をそのまま抜粋するにとどめ、メインはセカンダリーに妙味があるかに言及します。

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この記事の結論
  • CINCは主にデジタルマーケティングに関するサービス提供を行うビジネス
  • プライマリー目線では想定価格の+58%程度と予想されている
  • セカンダリー目線ではIPO直後は様子見し、決算を確認してから判断するほうが良いと考えられる

どーも!タカナビです。

CINCのIPOについて、目論見書から募集内容をふまえて考察したいと思います。

出展:SBI証券
この記事はこんな方にオススメです。
  • CINCへのプライマリー投資を検討されている方
  • CINCへのセカンダリー投資を検討されている方
  • IPOの銘柄分析を参考にされたい方

※投資判断は自己責任でお願いします。

事業内容

  • CINC(シンク)はデジタルマーケティングに必要なサイト流入分析やキーワード抽出の支援といった希望を持つ「Keywordmap」を提供する企業です。同社ではソリューション事業と呼んでいます。
  • 事業内容に大きな強みは感じませんが、目先は広告費への投資が増えてくる可能性が高いのでポジティブな環境でしょうか。
  • また、上記のプロダクト提供とともにマーケティングのコンサル等の支援業務も提供しています。これをアナリティクス事業と呼んでいます。

最近、Twitter運用に関わるプロダクトも出しているようで、これはNTTデータが持つ「なずき」というサービスのデータを利用しているようです。

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業績

事業内容の次は財務状況です。(11月期決算)

項目(単位:千円)201920202021
売上高764,181934,3581,243,741
売上成長率122.27%133.11%
売上原価232,131269,319359,392
売上原価率30.38%28.82%28.90%
売上総利益532,050665,039884,349
売上総利益率69.62%71.18%71.10%
販売費及び一般管理費450,307595,832665,580
販売費及び一般管理費率58.93%63.77%53.51%
営業損益81,74369,207218,769
営業損益率10.70%7.41%17.59%
出典:目論見書より作成

※2021年は3Q実績を4/3倍した数字で算出

  • 2020年通期は売上9.3億円。当期純利益は0.1億円でまだ規模は小さいです。
  • 売上高成長率は+22%でまあまあ高成長ですが、この規模ではかなり物足りなさを感じます
  • 来期の予想としては+33%は季節性が無ければいけるかもしれません。売上の加速という点ではポジティブな業績とも見れます。

需給

IPOで株式がどの程度発行されるのか(新規発行株式)
IPOでは元々発行している株式がどの程度売り出されるか?(売出株式)

といった情報をおさえることが非常に重要です。
なぜなら、たくさんの株式が公募・売出されると、IPOで株式を割当てられた人達による売り圧力が存在することになるためです。

市場に出回る株式が多ければ多いほど上場後の初値は下がることになります。
逆に言うとセカンダリーを狙う人にとってはこういった銘柄を狙うことになります。

募集要項

募集要項は以下の通りです。

項目データ
想定価格2,850円
公募価格3,080円
公募株数328,000
売出株数504,400
公開株数(合計)832,400
オーバーアロットメント124,800
上場時発行済み株数3,328,000
想定価格ベースの時価総額95億円
オファリング・レシオ(OA込)28.76%
出展:目論見書から作成
  • オファリングレシオはオーバーアロットメント分込みで29%のため、初値が高騰するリスクは低くなりますが、やや公開株数が少ないですね。
  • プライマリー・セカンダリー目線ともにニュートラル(そこそこの上昇)です。

株主構成

募集要項は上場直後の売り圧力を表しますが、株主構成では上場後一定期間たったあとの売り圧力を計るために重要な情報となります。

ストックオプション分の株式を除くと株主構成は以下になります。
(スプレッドシートの画像にさせていただきます。)

出展:目論見書から作成
  • ロックアップは180日間としっかりかかっているのでポジティブですね。
  • そのため、プライマリー・セカンダリー目線ともにポジティブです

終わりに

CINCのプライマリーとセカンダリーの戦略をどうするべきか?をまとめていきます。

  • プライマリー:
    • オファリングレシオは高いものの公開株数がやや少ないためニュートラル
    • ロックアップがしっかりかかっているためポジティブ
    • 参考:やさしいIPOというサイトでは想定価格に対して、+58%の値が付くと予想されているようです。
  • セカンダリー:
    • 初値がやや高騰するためネガティブ
    • ロックアップがしっかりかかっているためポジティブ
    • 昨年の当期純利益ベースだとPERは830倍となり、今期の3Q実績に4/3倍した当期利益をベースとするとPERは約66倍となります。この売上規模と成長率に対しては割高に感じます。初値で乗るのは得策ではなさそうですね。
    • 次が4Q決算なのでガイダンスの強さも含めて判断してから乗ったほうが良さそうだと感じます。

ということで、最後にまとめておきます。

この記事の結論
  • CINCは主にデジタルマーケティングに関するサービス提供を行うビジネス
  • プライマリー目線では想定価格の+58%程度と予想されている
  • セカンダリー目線ではIPO直後は様子見し、決算を確認してから判断するほうが良いと考えられる

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初値

※後日追記
初値は3,950円で公募価格比+870円(+28.2%)でした。
引けは3,830円でした。

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