- IPO投資のポイントは「主幹事で申込を行うこと」「IPO申込を行う証券会社に関して全体の口座開設数が少ないこと」「IPO申込を行う証券口座が少ないこと」
- 資金力が無い人にとって、複数単元のIPO申込できることはデメリット
- IPOチャレンジポイントというメリットを最大限活用し、それ以外は通常の資産運用にパワーを注ごう
- 複数証券口座でIPO投資を実施する場合は原則主幹事のみで抽選を行い、時間が無い場合は割り切って、SBI証券だけに絞ろう
どーも!タカナビです。
IPO投資をする際、SBI証券で申込を行っていますか?
SBI証券は独自のポイント制度を行っており、それを利用すると高確率でほしいIPO銘柄を当てることも可能です。
また、SBI証券だけでなくその他証券会社でも申込を行うとその分当選確率があがるため、口座開設を検討されている方も多いのではないでしょうか。
今回はSBI証券をメインで使っており、IPO投資をできるだけ効率的に実行したい向けにいくつか観点を設けて、SBI証券用のIPO投資戦略を考えたのでご紹介します!
- SBI証券をメインとしてIPO投資を行っている方
- 複数の証券会社でIPO投資を行おうか迷っている方
- 資金力が比較的少ない方
自分自身は複数証券を開設しており、その経験もふまえてお伝えできればと思います!
また、そもそもIPOが分からないという方は以下の記事も合わせて確認してください!
IPO投資を効率的に行うためのポイント
IPO投資は当選確率がとても低いためリスクは低いですが、リターンを受ける機会が極端に少ないです。
そのため、“いかにリターンを受ける機会を多く生むか“、”そしてその機会をできるだけ少ない手間で実現するか“がポイントとなると考えています。
その要素を3点ほど挙げます。
- 主幹事で申込を行うこと(当選本数が多いこと)
- IPO申込を行う証券会社に関して全体の口座開設数が少ないこと(申込母数が少ないこと)
- IPO申込を行う証券口座が少ないこと(手間が減らせること)
主幹事で申込を行うこと(当選本数が多いこと)
まず、IPOは主幹事でないと当選確率が絶望的に低いです。
例えば、フォースタートアップス(7089)という企業が最近上場しましたが、このときの各証券会社の抽選券の割り当ては以下の通りです。

この通り、主幹事の野村証券と幹事のSBI証券やマネックス証券と比較すると約8倍も差が生まれます。
2020年のIPO銘柄をランダムに20件ほどピックアップして調べましたが、主幹事の枚数とそれ以外の幹事で最も割り当てられた枚数を比較すると、2~20倍程度違い、平均すると9倍程度でした。
つまり、”常に主幹事で申込を行っていれば、どこか1社で申込を行うより当選確率が9倍になるということです“。(厳密にはその1社が主幹事である場合があるので少し下がりますが、、)
主幹事で申し込めば年1回当選するとすると、主幹事で申し込まない場合は9年かかってしまいますね、、
そのため、IPO投資において主幹事で申込を行うことは効率的にリターンを得るのにとても重要なファクターとなります!
それではSBI証券はどのくらい主幹事になっているかというと、
- 2017年:8社
- 2018年:11社
- 2019年:7社
となり、ネット証券の中では群を抜いて取扱件数が多いです!
一方、SMBC日興証券や野村証券、大和証券といった会社には遅れをとるという点がポイントになります。
IPO申込を行う証券会社に関して全体の口座開設数が少ないこと(申込母数が少ないこと)
完全に平等に抽選を行う証券会社であれば、IPO申込の母数が少ないほど当選確率はあがりますよね!
申込数は基本的に公表されないのですが、各証券会社の口座数が申込母数を推定するための要素になります。
申込数 = 口座数 × 10%
と仮定すると、例えば野村證券であれば口座数が約465万なので申込母数は46.5万と計算できます。
以下にIPOを取り扱う代表的な証券会社ごとの想定申込数をまとめます。
※倍率は岡三オンライン証券を1としたときの割合
証券会社 | 口座数 | 想定申込数 (10%程度と想定) | 倍率 |
SBI証券 | 4,820,000 | 482,000 | 21 |
野村証券 | 4,650,000 | 465,000 | 20 |
大和証券 | 3,340,000 | 334,000 | 15 |
SMBC日興証券 | 3,450,000 | 345,000 | 15 |
auカブコム証券 (カブドットコム証券) | 1,140,000 | 114,000 | 5 |
マネックス証券 | 1,830,000 | 183,000 | 8 |
岡三オンライン証券 | 230,000 | 23,000 | 1 |
これを見ると、岡三オンライン証券で申し込めば当たりそうと思えますね!
マネックス証券も穴場と見えますね・・・
この想定申込数を使って、先ほどのフォースタートアップス(7089)を例に当選確率を計算してみます!
当選確率 = 抽選本数 ÷ 想定申込数 × 100
- 野村證券:856÷465,000=0.18%
- SBI証券:108÷482,000=0.02%
- マネックス証券:160÷183,000=0.09%
以上より、実は主幹事の野村証券とマネックス証券は約2倍の当選確率の差になります。
SBI証券にいたっては約9倍の差になります。。
SBI証券は他の証券会社と比較すると口座数が上位の部類になるため、この観点ではIPO投資において分が悪いといえます。
IPO申込を行う証券口座が少ないこと(手間が減らせること)
これまでは当選確率をあげることで、リターンの効率性を高めるという話でしたが、手間を減らして労力を抑えるという観点で挙げました。
複数口座でIPO投資を行う場合は以下のような手間が増えます。
- 口座の開設
- 複数回の申込
- 資金管理
- スケジュール管理
特に資金管理は証券会社により事前入金の有無やタイミングが変わるため、資金準備を忘れて申込できなかった等、労力の割に報われないケースがあります。。
できるだけ1社でIPO投資するほうが確実に無駄なく実行できるというわけです!
SBI証券をメインに使われている方はSBI証券1社でできるだけ済ませたいところです。
SBI証券でIPO投資をするメリット・デメリット
次にIPO投資においてSBI証券ならではの話があるかを紹介します。
大きくは以下の2点になります。
- 外れた分だけ次回の当選確率アップ!IPOチャレンジ制度というメリット
- 「口数比例方式」で当選確率アップ!複数単元(無制限)の購入が可能という資金がある人にはメリットだが、資金力のない人にはデメリット
IPOチャレンジポイント制度
SBI証券にはIPOチャレンジポイントというSBI証券独自のポイント制度があり、 抽選で落選するたびに1ポイント付与されます。
このポイントを次の抽選時に利用すると当選確率があがるというものです!
ただし、ポイントを使用して銘柄に当選するには300ポイント以上は必要みたいです。
そのため、短期間でのメリットがあるわけではありません。。
とはいえ、ただ落選して終わるのではなく、次につながるポイントをコツコツ貯めることができるのでとても良い制度だと思ってます!
以上よりSBI証券でIPO投資をするのであれば、幹事数も重要なファクターとなります。
- 2019年:82件
- 2018年:86件
- 2017年:76件
- 2015年:82件
このような実績なので大体80件は固いところですね。
当選・公募割れする銘柄を回避・資金準備できないといったケースを考慮すると年間75ポイント(75社落選)といったところでしょうか。
5年でほぼ当選確実の優良銘柄にあたると考えれば・・・どうでしょう、悪くはないですかね!
口数比例方式によるIPO抽選
IPOの抽選は各証券会社が定める方式によって実施されます。
SBI証券では「口数比例方式」といって、1単元での申込ではなく複数単元で申込を行うことができます。
1単元では抽選1枚分の権利になりますが、複数単元で申し込むだけでその数分だけ抽選券を持つことができ、抽選券が多ければ多いほど当選しやすくなります。
例えば株価が1,000円の銘柄の抽選申込を行う場合は100株であれば余力を10万円、1,000株であれば余力を100万円用意する必要があります。(その分1,000株で申し込めば当選確率は10倍です。)
ただし、これは個人的にはデメリットであると考えます。
それは自分が資金力のない部類(数千万の資金が無い)であるためです。
IPO投資を効率的に行うためのポイントの”口座数が少ないこと”を挙げさせていただきましたが、この制度のせいで想定申込母数が増えてしまうためです。
資金力のある方が1%いたとして、その層が一回のIPOで100件分の申込をした場合、
482,000×99%+482,000×1%×100=959,180
となり、当選確率がさらに大体半分になってしまうのです。
人気銘柄であればさらに中間層も複数単元で申込をする可能性が高いので、実態はさらに当選確率が下がっているのではないかなと思ってます。
SBI証券での投資戦略
それでは、IPOの効率的な投資方法とSBIの特徴をふまえて、SBI証券を中心としたIPO投資を行う前提で戦略を考えてみます。
資金力が億近くある方
- IPO銘柄の公募金額が高く大きなリターンが見込め、SBI証券が主幹事のときは全力で複数単元を申込
- それ以外のときは1単元でIPOチャレンジポイントを取りにいく。
- IPOチャレンジポイントが300以上貯まったときは、リターンが大きく見込める銘柄にIPOポイントと資金を全力あてる
資金力がある方はIPOで少額の利益を取るより、普通に運用したほうがリターンを得る可能性が高いです。
せいぜい複数単元であたっても5単元程度かと思うので、それが100%(2倍)上がっても、公募価格が1,000円であれば50万円程度しか利益がでません。
これが公募価格が5,000円であれば250万の利益となり、投資効率もよくなっていくかと思います。
- 公募価格1,000円:1,000円/株 × 500株 × 2 = 1,000,000円(50万円の利益)
- 公募価格5,000円:5,000円/株 × 500株 × 2 = 5,000,000円(250万円の利益)
億単位の資金のある方からしたら、資金拘束をされている間に運用で稼ぐほうが投資効率が良いので、このように公募価格が低いと効率が悪いといえると思います。
(リスクを考えるとIPOがいいと思う人もいるんですかね・・・?)
例えば資金が1億円あれば、先ほどの50万円の利益を得るのに0.5%の上昇があれば利益が同等となるということです。
資金力が億近くは無い方
- 基本的にすべて1単元でIPO申込を行う
- IPOチャレンジポイントが300以上貯まったときは、リターンが大きく見込める銘柄にIPOポイントと資金を全力あてる
- 時間的な余力と100万円程度の余剰資金があれば主幹事の証券会社でも1単元の申込を行う。
資金力のない方は複数単元申し込むのをやめたほうがいいと思います。
その間も運用で利益を狙うべきかと思います。
その代わりIPOチャレンジポイントが貯まったら全力で当選を狙いましょう!!
また、主幹事への申込はやはり当選確率があがります。
そのため、SBI証券と主幹事でIPO投資を行うのが一番当選確率を上げられるかと思います。
ただし、資金管理・分散・手間を考えると、素直に運用するほうが効率的だし時間の使い方も効果的なのかなとも思っています。
ここは個人の都合も大きく左右するところでありますので、ご自身にあったやり方で無理なく続けられるといいですね!
自分は時間に余裕があるときだけ、主幹事への抽選申込を行っていく予定です!
根気よく継続して申込をすることが成功の秘訣になると思います。
通常の銘柄選定がうまくいかない方
通常の銘柄で利益を出そうと思っても、逆に損失が出てしまう方もいるかと思います。
投資効率をあげるためにあえてIPOに資金を回さない場合、損失が出たらかなりもったいないですよね。
そこで銘柄選定方法を具体的な手順含めて公開していますので、合わせて以下の記事も参考にしていただければと思います!
この手法は決算のタイミングで実施するのですが、決算は4半期に一回なので年に4回概ね実行することができます。(時期は企業ごとに違うので厳密にはそれ以上に実行できますが)
検証したところ前回のピックアップ銘柄は約10%の利益をとることができました。
仮にその程度のリターンが見込める場合、4回試行すると年間で46%のリターンが見込めます。たらればですが、これを5年間続ければ6.7倍なので最初の資金が150万あれば5年間で1000万超えますね・・・。
IPO投資一辺倒では投資の幅がせまく様々な機会損失もあると思うので、ぜひ違う手法も取り入れてみてください!
ピックアップ銘柄は以下の記事で公開しています!
終わりに
自分のようにSBI証券をメインとして利用し、特に資金力がさほど多くない方にはぜひ参考にしていただきたい戦略でした。
いつかS級のIPOを当ててみなさんに報告できるようコツコツとトライしていきたいと思います・・・!
- IPO投資のポイントは「主幹事で申込を行うこと」「IPO申込を行う証券会社に関して全体の口座開設数が少ないこと」「IPO申込を行う証券口座が少ないこと」
- 資金力が無い人にとって、複数単元のIPO申込できることはデメリット
- IPOチャレンジポイントというメリットを最大限活用し、それ以外は通常の資産運用にパワーを注ごう
- 複数証券口座でIPO投資を実施する場合は原則主幹事のみで抽選を行い、時間が無い場合は割り切って、SBI証券だけに絞ろう
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